集合住宅に住む場合、「共用部分」についての基本的なルールを知っておかなければなりません。
廊下やエレベーターが共用部分であることは誰もが知っているかと思いますが、実は意外なあの場所も共用部分にあたるのです。
今回は賃貸物件の共用部分について、基本的な使い方のルールもあわせて解説します。
賃貸物件の共用部分とは?意外と知らない共用部分の範囲について
賃貸物件における共用部分とは入居者が共同で使用する部分をいい、以下のようなものが該当します。
●壁や支柱、基礎、屋根などの建物の主要構造部分や配管、配線
●共用廊下や階段室、エントランス
●管理人事務室や集会室
●住戸の窓ガラスや玄関扉、バルコニー、専用庭、駐車場など
これらの共用部分はすべての入居者が利用できますが、バルコニーや専用庭、駐車場など、特定の入居者のみ使用できる「居住者の専有使用が認められた共用部分」に関しては、使用にあたり注意が必要です。
中でもバルコニーやベランダは、入居者の専有部分でありながら さまざまな制限を受けることを知っておきましょう。
ベランダは専有できる共用部分!上手に利用してベランダを楽しもう
集合住宅のベランダは災害時の避難経路としての役割があるため、避難はしごや脱出口が設置されており、隣室との境にある壁は蹴破って避難できるようになっています。
そのため、一定の範囲内であれば自由に使用できますが、火災や自然災害などの緊急時には避難経路として使えなければなりません。
ベランダを使用する際は、「すぐに動かせること」「原状回復が容易なこと」がポイントであることを知っておきましょう。
集合住宅は一戸建てと比較すると制限が多いですが、
●インテリアとしてテーブルや観葉植物を置く
●床に人工芝を敷く
●すだれやシェードを設置する
などは自由にできるので、ベランダを特別な空間として楽しんでみましょう。
ただし、守らなければならないマナーはあります。
まず、周辺の入居者に迷惑がかかるような行動は慎みましょう。
たとえばベランダでの喫煙など、室内には配慮しているつもりでも、近隣の入居者にとっては迷惑になります。
洗濯物にタバコのニオイがついたり、煙が部屋に入ってきたりするので窓が開けられないなどのトラブルになる可能性もあります。
実際、喘息が持病だった人が、ベランダで喫煙習慣のある下の階の入居者を相手に訴訟を起こしたケースもあります。
ベランダでの喫煙は控えるように心がけましょう。
そのほか、「干している布団をたたく音がうるさい・ホコリが舞う」「子どものプール遊びの水が散って洗濯物が濡れた」などの声があるため、周囲への配慮は欠かさないことが重要です。